これは、ソロ・ギタリストの伊藤賢一さんにお寄せ頂いた原稿です。 

 

 

『私の3枚』

プー横丁40周年。おめでとうございます!私には想像もできない年月です。
今後とも益々の発展をお祈りいたします。
でも私の本音としては・・・ずっと変わらぬプー横丁でいてください!

 

3枚。相当〜に悩みました!笑
私にとって、特に出会いが印象的だった3枚をご紹介します。

 

1) ジョン・レンボーン『ザ・レディ・アンド・ザ・ユニコーン』

高校2年。友人がジョン・レンボーンのアルバム『鐵面の騎士』をカセットで聴かせてくれた日が、まさしく私のターニングポイントでした。
・・・アルバム冒頭から、頭をぶん殴られたような衝撃!
生々しいギターの音、自在なフレージング、典雅な楽想、本物の音楽との出会いに心が一瞬で沸騰しました。そして、A面を聴き終わる前にレコード屋さんへ走り出す自分がいたのでした。
その時に入手したのが『鐵面の騎士』と『ザ・レディ・アンド・ザ・ユニコーン』の2枚。
特に『ユニコーン』で聴かれる、古い音楽とギターとのコラボレーションがたまらなく刺激的に思えました。
私にとっては「未知なる音楽」という宝を探すための、まるで地図のようなアルバムでした。

 

 

2) 竹内いちろ「竹内いちろ」

竹内いちろさんと初めてお会いしたのは2007年だったと思います。
二人共ジョン・レンボーンにハマりまくっていたという事で意気投合したのでした。
レンボーン話から始まり、ビートルズ、バッハ、ブリームが出てくるともう止まらない状態になってしまい・・・それ以来何かと仲良くさせてもらってます。
このアルバムに一本「ピン」と通っている空気は、いちろさんとギターとの間合いなのだと思います。
演奏者とギターとの空間をここまで感じさせてくれるアルバムを私は知りません。両手ではなく身体からギターに乗り移る音楽。それを再現させるリアルな録音も素晴らしいです。
楽曲の色合いは多岐に渡ってますが、「黒の森」のようなダークサイド的なものと、「ヒミツ基地」のような洒脱な世界とのコントラストも妙味。
いつ聴いても私自身の音楽を覚醒させてくれるアルバムです。

 

 

3) 小川倫生「Night Jasmine」

初めて小川さんと共演した日も強烈でした。今はなき、三宿のミトラサールでしたね。
小川さんの演奏を間近で見て、何よりも「ギターとの一体感」に驚きました。
自然に音楽をしている。当たり前のようにギターでしゃべっている。
演奏も楽曲構成もライブの音作りも、彼の美意識をビンビン感じました。その日聴いたのが「アストロノーツ」「チェルシーグリーンの日々」といった新曲群だったのです。
それらが収録されたこのアルバムが出た時には、興奮して相当ヘビロテしました。
最初から最後まで音楽の香りがぷんぷんする。それは曲の良さだけでなく、音決めや楽曲の配置からも感じるのです。これぞアルバムの醍醐味だと思います。

 

伊藤 賢一

  

 

  

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