これは、ライターの片山明さんにお寄せ頂いた原稿です。
40周年おめでとうございます。ハッピー&アーティが縁でこうしてお付き合いをさせていただき、このアルバム選の末席に加えてもらえることを光栄に思っています。73年にお店を始められたということは、私はその頃まだ中学生でした。それが今や…なんと言うことでしょう! Music Among Friends / Mud
Acres ジャケットも好きなのでこの盤を選びましたが、ウッドストック・マウンテンズ関連で出ている他の数種の盤も同じくらい好きです。何事も後追いの私がこのアルバムを聴いたのは、95年頃だったでしょうか。思えば、ここに収められている音楽が今でもあの町で奏でられているのだろうかという気持ちが、3年にわたるウッドストック暮らしへと駆り立ててしまった。さらに「小さな町の小さなライブハウスから」という本を書くまでに。で実際はどうだったのか? 顔ぶれに変化はあったけれど、マッドエイカーズが示したあの音楽は脈々と続いていました。ジョン・ヘラルドも、アーティも、リヴォンもいなくなっちゃったけど、あの町から音楽が途絶えることはありません。マジックはきっと生きている! Rock of Ages / The
Band ザ・バンドの音楽は正直言って20代の若造だった頃はなかなか理解できませんでした。もっと刺激の強い、 Live Recordings 1970's-1980's
/ Happy & Artie Traum このアルバムには格別な思いを抱いています。大好きなハッピー&アーティの来日に合わせて作られた 2013.5.1
ライター 片山明
実験的な音楽を好んだりしていたから、良いとは思ってもフェイバリットとは言えなかったのです。ところが、中年にさしかかった時、それほどでもないと思っていた彼らの音の響き方が全然違って聞こえるようになった。いろんな経験をし、しんどい思いもし、ヒトや物の成り立ちがわかるようになるにつれ、ザ・バンドの音楽がしっくり来るようになったというか。もしかすると、彼らの音楽は人間の熟成を問うてくるのかもしれない、なんて思ったりして。単に自分が鈍かっただけのかもしれないのですが…。このアルバムを聴いてる時にそんな風に感じたので、個人的には1st、2ndよりも思い入れがあるのです。
「未発表音源集」ということもあるけれど、ジャケットデザイン、ライナーノーツのレイアウト、帯、関連するフライヤー制作などで松岡さんと一緒に仕事をさせていただいたという、うれしい思い出が混じっています。今思うと、その作業と同時進行で、やはり彼らのライブ会場に並べるべく私は自分の本を書いていたわけで、お引き受けしたものの、けっこう時間のやりくりが大変でした(笑)。でも、楽しかった。ああいう仕事、またやりたいなあ。
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