これは、 中川イサトさんに送って頂いた原稿です。 アルバムのジャケットはこちらで用意させて頂きました。

 

 マイ・フェイバリット・アルバム

 僕にとって最も大切な、想い入れのあるアルバムを3枚選ぶとなると、あまりに多すぎてとてもじゃあないけど選べない。そんな訳でつい考え込んでしまった。でも自分が影響を受けたギタリストは敢えて選ばずに、好きなアーティスト、ミュージシャンのアルバムを3枚選んでみた。

 

 #1 " Happy And Artie Traum " 

 1970年に米キャピトルからリリースされたこのアルバムはフォーク・ミュージックとロック・ミュージックの融合というか、' 60年代のフォーク・ミュージックが音楽的に行き詰まっていた時代の節目にリリースされ、新しい時代を感じさせてくれたアルバムであった。
 当時は僕も関西フォークというムーブメントの中に居ながら、いつも音楽面で何かジレンマのようなものを感じていた。確か中川五郎さんがいち早く彼らのアルバムを入手し、当時僕達の溜まり場だった "ディラン "で、夢中になって聴いていたのを昨日のように思い出す。The Bandよりフォークっぽい歌やプレイなので、いっぺんに彼らのファンになってしまった。でも彼らとThe Bandは同じウッドストックに住み、交流があったと知ったのは後の事だった。
 彼らとは現在も交流があり、特に弟のアーティはギタリストとしても素晴らしいアルバムを何枚もリリースしていて、僕にいつも刺激を与えてくれています。

 

 #2 " Muleskinner " A Potpourri Of Bruegrass Jam" 

 このセッション・アルバムのオリジナル盤がリリースされたのは1974年のことである。当時クラレンス・ホワイトが参加しているというだけで、レコード店に入荷するのを心待ちにしていたように記憶している。というのは前年にクラレンスは事故死していて、彼のファンにしてみれば何とも言えない重苦しい日々が続いていたし、ましてや事故死する少し前のレコーディングなので早くそのプレイを聴いてみたかったのである。
 このアルバムでのクラレンスのプレイは神がかりというか、フラット・ピッキングにしろ、ストリング・ベンダー・プレイにしろ、鬼気迫るものがある。1曲目の " Muleskinner Blues " でのストリング・ベンダー・プレイなどは、誰も真似のできない神様のプレイと言ってもいいだろう。又 " Dark Hollow" ではリード・ヴォーカルもとっていて、当時29 歳なのにその枯れたヴォーカルは、彼の短い音楽人生を集約したような素晴らしいものである。彼が現在も健在であれば、僕より3歳年上なので59歳ということになる。でも僕としては彼のライブ・プレイを一度でいいから見たかった。

 

 #3 " Bert Jansch "

 オリジナル盤は英国のトランスアトランティック・レコードから1965年にリリースされた。僕が彼のことを知ったのはペンタングルの1stアルバムを1969年に聴いてからのことで、彼のアヴァンギャルドなギター・プレイにとても引きつけられた。そして彼や相棒のジョン・レンボーンのギター・プレイに出逢っていなかったら、"五つの赤い風船 "を辞めていなかったかも知れない。僕にとっては、それくらい彼らのギター・プレイというものが刺激的であった。何しろそれまではP.P.M.やキングストン・トリオのギター・プレイしか知らなかったのだから。
 このアルバムで聴ける " Angie " はデイヴィ・グレアムの有名なギター・インストゥルメンタルなのだが、ポール・サイモンが アルバム " Sound Of Silence " で取り上げ世界的に有名になった。でも個人的にはバートのプレイの方が好きで、その野性味あふれたタッチはルーツ・ミュージックと呼んでも良いかも知れない。1965年当時のバート・ヤンシュは20歳の若者で、ジャケット写真で見る限り、とても神経質そうに見える。彼やジョン・レンボーンは現在も現役で活動していて、それこそ英国のアコースティック・ギター・シーンのルーツになりつつある。
 ところで今後Bert & Johnのリユニオンなんてないのだろうか?

 

プーさん30周年おめでとう。

僕とプーさんが出逢ってからも20数年になりますね。

これからも何かとよろしくお願いします。

 

中川イサト

 

 

 

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