プー横丁という店名の由来 その1  2003年4月10日

 

 プー横丁は今から30年前の1973年4月にオープンしました。

 時々、プー横丁の横丁を「横町」と書かれる方がいらっしゃいますが、まぁ「大した違いはない」といえばないのですけれど(笑)、本当は「横丁」なので、どうせなら正しく覚えて頂けるとありがたいです。

 当店がお取り扱いしている音楽ジャンルは、オープン当初から30年間全く変わっていません。ロック/フォーク/シンガー・ソングライター、ブルーグラス、カントリー、(フィンガースタイルの)アコースティック・ギターおよびその周辺の音楽です。ジャンル分けは便宜上のものですし、いつも「このテの音楽が好きなファン、この指とまれ」というスタンスで、全国の音楽ファンの皆さんにお薦めしています。私自身が好きな音楽をより多くのリスナーの方に聴いて頂きたい、私のフェイヴァリット・アーティスト達を1人でも多くの方に知って頂きたいと願いつつ、このレコード店という「不思議な商売」を続けています。

 以下、プー横丁という店名の由来を書かせて頂きました。興味のある方は、お読み下さい。

 店の名前をプー横丁としたのには幾つか理由があります。当時は関西には輸入盤専門店というのは殆ど無かったのですが、東京および関東エリアには既に大小とりまぜ色んなレコード専門店がありました。その多くのお店が英語やカタカナ表記の店名を付けていらっしゃったんですが、私は絶対に「日本語で漢字を含む名前にしたい」と心に決めていたのです。と同時に、自分で店を始めるんなら(店の業種が何であれ)昔から好きだったA・A・ミルンの『クマのプーさん/プー横丁にたった家』の「プー横丁」にしたいなぁ、と随分以前から漠然と考えていました。ただ、音楽ファンの皆さんに覚えて頂かないといけませんので、レコード店の名前として「適しているかどうか」少しは悩みました。でも、「おそらくプー横丁という名前は、親しんでもらえるだろう」と確信できる事実がありました。

 1970年にニッティ・グリッティ・ダート・バンドの『UNCLE CHARLIE & HIS DOG TEDDY(邦題: アンクル・チャーリーと愛犬テディ)』がアメリカで発売され、当時のロック・ファン(特にシンガー・ソングライター・ファン)の間では高い評価を得ていました。そのアルバムには「House at Pooh Corner(邦題: プー横丁の家)」が収録されていましたので「プー横丁」という言葉はA・A・ミルンの本に馴染みのない音楽ファンにも既に知られていたのです。今でこそアメリカやヨーロッパで発売された洋楽のアルバムが本国でのリリースとほぼ同時に国内発売されたり「日本先行発売」なんてのが当り前になっていますが、当時は、アメリカやヨーロッパで発売されて暫くしてからしか日本盤は出ないというのが一般的でした。

 念の為に調べてみたら、このニッティ・グリッティ・ダート・バンド『UNCLE CHARLIE & HIS DOG TEDDY』の国内盤も翌71年の1月25日に発売されたようです。ミュージック・マガジン(当時はニュー・ミュージック・マガジン)誌の国内盤紹介ページに掲載されたのは71年2月号(本屋さんの店頭に並ぶのは1月下旬)での事です。当時のNMM誌のアルバム紹介は全て100点満点で評価されていて、その2月号で『UNCLE CHARLIE & HIS DOG TEDDY』は小倉エージさんが書かれていて「90点」でした。ちなみに同号でエージさんはニール・ヤングの『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』の紹介もされていて、それも同じ「90点」でした。

 ついでに同号の他のライターの方々が紹介されたアルバムと得点を幾つか挙げますと、水上はる子さんがビーチ・ボーイズの『ライヴ・イン・ロンドン』を80点、日暮泰文さんがクラレンス・カーターの『パッチ』を86点、桜井ユタカさんがデラニー&ボニーの『デラニーよりボニーへ』を87点、朝妻一郎さんがエルトン・ジョンの『エルトン・ジョン』を85点、北中正和さんがムーディー・ブルースの『クエッション・オブ・バランス』を85点、中村とうようさんがマザーズ・オブ・インヴェンションの『いたち野郎』を93点、亀渕昭信さんがスティヴン・スティルスの『スティヴン・スティルス』を85点、といった得点で紹介されており、当時大学生だった私もNMM誌のアルバム紹介で80点以上の得点がついていたら「きっと良いアルバムなんだろうなぁ」というような認識だったと記憶しています。

 ですから、『UNCLE CHARLIE & HIS DOG TEDDY』の「90点」は「最高ランクの評価」だった訳です。そして、そういう音楽メディアでの紹介記事とは別に、当時は音楽ファンの間でのクチコミが、あるアルバムやアーティストの評判や評価を決めるのに大きく作用していたと思います。

 つづく

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