これは、ソロ・ギタリストの増田俊郎さんにお寄せ頂いた原稿です。 

 

  

松岡さん、40周年おめでとうございます。

プー横丁がオープンした1973年4月、僕は高校を出て大阪のキャバレー等でバンドマンをやっていました。

やっていたと云っても駆け出しですから収入は少なく、ギャラ日前には一文無しなんて事も何度もありましたが、どう云う訳かレコードは沢山買っていました。

折角ですから、その頃良く聴いていたものの中から3枚選んでみます。



 

#1 「Living By The Days - Don Nix」

大阪はミナミの宗右衛門町のオグラと云う喫茶店に、キャバレー仕事の休憩時間、良く通いました。

そこで知り合ったバーテンのヒロシ君が貸してくれたアルバムで、

マッスル・ショールズの音にのめり込む切っ掛けになった大事な1枚です。



 

#2 「Blue - Joni Mitchell」

高校の卒業式の翌日に引っ越しをして一人暮らしを始めました。

バンドマンやホステスや得体の知れない人が住んでいた阪急電車の線路脇にある安アパートです。

そのアパートの住人の中に岡山県出身の辰子さんと云う、僕より四つ年上の化粧品店の美容部員がいました。

雨の日は外へ出たくないと言って仕事をサボる人で、良く僕の部屋に来てレコードを聴いていました。

彼女は73年6月の末に自殺をしてしまうのですが、やっぱりその日も雨でした。

紫煙の中、少し上を向いてこのアルバムを聴いている辰子さん横顔を今でも時々思い出します。



 

#3 「Dr. John's Gumbo」

キャバレーには時々ストリッパーが来ました。BGMはサンタナの音楽が多かったのですが、ある時、東京から来た踊り子さんが変った音楽で踊るので終演後訊ねてみると、このアルバムの中に入っている曲だと教えてくれました。

僕にはニューオーリンズの音楽へ通じるドアとなったアルバムです。

 

 

次の50周年があるかどうか、なんて仰らずに頑張って下さい。

これからもプー横丁に期待しています!

増田俊郎


  

 

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