これは、Mareka & Junjiの内藤希花さんにお寄せ頂いた原稿です。 

 

 

Heat of the Moment  Pierre Schryer, Ian Clark (2007)
私がフィドルを弾きはじめるきっかけとなった一枚。
カナディアンフィドラーのPierre Schryerと、ギターのIan Clarkによるデュオです。
ギタリストのIan Clarkが来日してセッションをした際に、彼からもらったのがこのアルバムです。
それまでクラシック畑にいた私は、フィドル音楽を知ってはいたけど、真剣にやってみようとは思っていなかったのですが、このCDの最初の一音から、その音色と雰囲気に取り込まれてしまいました。どうしたら「フィドル」になるのか、このCDを聴いては、ひたすら真似して弾いてみた日々を思い出し、私のフィドルの原点は間違いなくここだったなと再確認しています。

  

 

 

Live in Seattle Martin Hayes, Dennis Cahill
アイルランドのクレア地方出身のフィドラー、Martin Hayesと、ギタリストDennis Cahillのデュオです。
アイルランドの中でも地方によって、ダンスチューンのリズムは様々なのですが、私は完全にこのクレアのリズムに魅せられてしまいました。Martinのフィドルは伝統のリズムを完全に残しながら、彼独自の音楽を表現します。「僕のフィドルは、ダンスと歌の融合だから」という彼自身の言葉が表す通りの音楽は、フィドル音楽の無限の可能性を見せてくれます。そしてその世界観を支え、広げているギタリストDennisとのデュオは、フィドルとギターという編成の、これまた無限の可能性を見せてくれています。

  

 

 

Fe Scath / In the Shadow  
Breanndan O Beaglaoich / Brendan Begley (2011)
アイルランドのケリー地方出身の、シンガー&アコーディオン奏者であるBrendan Begleyのアルバム。
私は実は、音楽の中で歌にかなうものはないんじゃないか、と思うくらいに歌が好きです。
アイルランドにはこの上なく美しい歌がたくさんあり、多くの素晴らしい歌い手が存在しまが、Brendanもその一人です。彼の歌は、非常に上品で、なおかつ力強く、アイルランドの自然を思い起こさせます。日常会話がゲール語の彼は、私にとってアイルランドそのもので、毎年夏に訪れる私にアイルランド音楽とは何かを、本当の意味で教えてくれている気がします。彼と向き合う度、中途半端な気持ちではやれないと、気持ちが引き締まるのです。
ちなみにこのアルバム、最初からずっとスローな歌とエアーが続くのですが、最後のセットだけ、むちゃくちゃ元気です。「このセットで寝てしまったやつらを起こすんだ」と、いたずらっぽく言っていたBrendanですが、実は私と城田純二さんは「MUSIC IN THE AIR」でそのアイディアを使わせてもらっています。

 

 

プーさん、40周年おめでとうございます!
40周年なんて!!25年しか生きていない私には、とんでもないことに感じます。
そこに文章を書かせて頂けるなんて、そんな光栄なことはありません。
これからも、たくさん勉強させていただこうと思います。
益々のご発展をお祈りいたします。

 

内藤希花

  

 

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