これは、ハープ・ギタリストの井宏勝さんにお寄せ頂いた原稿です。 

 

 

私の好きな3枚のアルバム

※その1枚目、かぐや姫の「かぐや姫フォーエバー」

悩みますね〜、僕は心斎橋ラッシュと親不孝バンドの「BROTHER ON "A" WATER」にアメリカを感じたり、憂歌団にぞっこん、上田正樹さんのセクシーさにメロメロ、ディランUの土臭さと不思議世界に惚れてたりするんですが、やはり小学6年生の時に聞き始めた「かぐや姫フォーエバー」は外せませんね。カセットに録音して繰り返し繰り返し聞いてたなぁ、ソングブックでできる歌からコピーしたなぁ、未だにこのLPもソングブックも持っていてそれこそセピア色に色あせていますが、多感な時期に受けた影響は原風景のように僕の心にしっとりと根を下ろしています。


※その2枚目、Deep Purpleの「MACHINE HEAD」

ロックへの入口はHIGHWAY STARでした、中学3年生の時文化祭バンドを組もうと集まった悪ガキ共、安物のギターでリッチー・ブラックモアになりきり例のギターソロを披露してはみんなの注目を集めていました、僕はエレキ・ギターを身近に見るのも初めてなのでポォーっと興奮してしまい、「俺もバンドに入る」と叫んでいました、しかし空いてるパートはキーボードしかなく無謀にもそれを引き受け、右手パートしかない譜面に自分で左手の音をくっつけて、そのうちピアノ譜も弾けるようになったのには自分でも驚き、音楽の楽しさに嬉しく元気な日々を過ごしていました、今でもこのアルバムの素晴らしさには特別なものを感じています。


※その3枚目、Harp Guitar Musicの「The Water is Wide: A Tribute to Stephen Bennett.」

飛行機は飛び立った、成田から、コネチカットから、そして世界中からダラス・フォートワース空港へと。時は2012年11月、ハープギターの祭典「ハープギターギャザリング10」への参加者を乗せて思い思いの旅が始まった。折しもアメリカ東海岸を襲ったハリケーン「サンディ」の直撃を受け、スティーヴン氏の到着は1日遅れとの連絡が入った、多分一睡もしていないのだろう?!。
2003年にGregg Miner氏とStephen Bennett氏が立ち上げた「The Harp Guitar Gathering」は年々確実に活動を続け、ハープギター・ミュージックの中核としての位置をゆるぎないものにしてきた、そして2012年のギャザリングは記念すべき10回目の大会である。スティーヴン・ベネット、ミュリエル・アンダーソン、ドン・アルダー・ティム・ドナヒュー・オレグ・ティモフェィエヴ、アンディ・ワールヴァーグ、、、他沢山のハープギタリストの華麗な技が目の前で繰り広げられてゆく!ルシアーたちのとっておき情報や、ハープギターの歴史も興味津々、面白い。
なんといっても今回のメイン・イヴェントは「10th Anniversary Highlights of the Harp Guitar Gathering」まず最初に会場のアップタウン・シアターの前列中央にスティーヴンさんと奥さんのナンシーさんに座ってもらい、スタッフのジャッキーさんから何故か二人にティッシュボックスが渡された。ギャザリングの今までの歴史と思い出に残る場面をたどりつつ「何故この偉大な功績はスティーヴンさんでなければ実現しなかったのか?」ってなことを冗談も交え会場は笑いの渦に、そして話は核心へと、、、。

 「The Water is Wide: A Tribute to Stephen Bennett.」

このCD、実は二年前からスティーヴンさんには秘密で進められていたプロジェクト、彼に縁が有り、彼を敬愛する多くの人たちがこの記念すべき日にトリビュートアルバムを贈ろう!とグレッグ・マイナー氏の呼びかけに応えて始まったものなのです。曲順に従い壇上に上がったミュージシャンたちの思い出話を交えたギター演奏が続き、(きっと何にも知らされていなかったスティーブンさんは最初ジョークだと思っていたらしいのですが、、、)会場の雰囲気も「熱い友情の見事な花」が咲き乱れるがごとく、一体となり、心からの拍手をスティーブンさんに送り続けたのです、そして15曲目の「The Water is Wide」が流れ、スクリーンに演奏者がまるで映画のように映し出された後、ジャケット写真のスティーヴンさんの顔が一人ぽっかり闇に浮かび上がったかと思うと次々に人が増え、最後にはカヌーに乗った大勢の人がいっぱいに映し出された時は感動の涙が溢れ出ていました、それは今まで体験したことがないほどの豊かな友情と、互いに尊敬しあい自分達の理想と夢のためには全力で努力する強い意志、友であることを誇りに思う優しい笑顔が溢れていたからなんです、あの場所にいられたことは僕の心の宝物です!
ハープギター・ミュージックを通じ人と人を結び、あの優しい笑顔と天才的な演奏で人を惹きつけてやまないStephen Bennettさん、彼のすべてのアルバムが素晴らしいのは言うまでもありませんが、それを踏まえたうえでの最高の一枚!と思います。


※プー横丁さん40周年に寄せて

以前は中川イサトさんの「あいらんど」を手に入れるために心斎橋の雑居ビルの2階にある店まで行かざるを得なかった、伊豆にはその関係は全くなかったしインターネットも普及していなかった昔の話。2004年、ある事をきっかけにプー横丁さんを知り、注文し送られてきた梱包を見て、その仕事の丁寧さに驚いた。ただ流れ作業で譜面集を包んでいるのでなく「この本で学び、がんばってね!」とまるで目の前で手渡された感じがしたんです。
40年の長きにわたって信頼され続けるのにはこうした「心を何よりも大切にする」真心が有難いからだと思います、これからもお体を労り豊かな音楽を提供し続けて下さい、感謝です。

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