これは、鈴木カツさんに送って頂いた原稿です。アルバムのジャケットはこちらで用意させて頂きました。

 

 プー横丁さんへ

 ♪ぼくが“ANY OLD TIME”というロック・バーを築地でオープンしたのは、プー横丁が産声を上げた翌年、1974年のことでした。先輩のプー横丁は30周年を迎え、まだ健在というのは、ただただ脱帽です。それにひきかえ、エニイ・オールド・タイムは25周年を迎えたところで燃え尽きてしまいました。30周年、本当におめでとうございます。お互い70年代のフォーク&ロックにどっぷりでしたね。プー横開店当時に送っていただいた通販リスト、今でも大切に保存しております。今後も素敵な夜をサポートしてくれるグッド・タイムな音楽を提供してください。
 

 いまでもターンテーブルの上によく乗るアナログ盤3枚を挙げてみました。
 

 01: Chris Smither「Don't IT Drag On」(Poppy 5704)
 ♪ジャケットのアートワークに惹かれ購入したものです。1950年代のヒップな白人ブルース歌手、エリック・ダーリングの流れを汲む歌手が70年代に突如登場した、という感じで、ぼくが望んでいたフォーキー・サウンドを内包していたのには驚かされました。ヴィヴラートを効かせたヴォーカルが今も新鮮です。お気に入りは、ジェリー・ガルシアの「Friend of The Devirl」と、ボブ・ディラン「Down In The Flood」のカヴァーです。前者にはハッピー・トラウムがバンジョーで参加、後者にはエリック・カズがピアノ&ハーモニカ、マリア・マルダーとボニー・レイットがバック・アップ・コーラスで参加しております。今から思えば夢のようなコラボレーションですね。
 

 02: Sammy Walker 「Sammy Walker」(Warner 2961)

 ♪ディラン声で、やってくれました。60年代フォークの流れを感じさせ、西海岸録音ながらウッドストック・サウンドに近いのが不思議です。これもプロデューサー、ニコラス・ベネットのなせる業なのでしょうね。ウクレレ名手の顔を持つライル・リッツがベースを、あのジェイムズ・バートンがドブロを弾いています。フィル・オクスが己の道を託した歌手だけあって、時代にプロテストする姿勢が印象的でした。ほどよいフォーク・ロック・サウンドで繰り広げられるアルバムA面冒頭曲「Brown Eyed Geogia Darlin'」は、数ある70年代シンガー・ソングライター盤のなかでも、最高のトラックといってもいいですよね。モノクロ写真をあしらったジャケもフォーキーしております。

 

 03: Jim Kweskin 「Relax Your Mind」(Vanguard 79188)
 ♪疲れたときにいつも心を癒してくれたのが、ジム・クウェスキンでした。リプリーズのソロ・アルバム「アメリカ」も人気盤ですが、やはりそれ以前に発売されたこの盤は、ぼくにとっての名盤であり、いまだ良く聴くLPです。ジムの鼻にかかった温かいヴォーカルと、リラックス・ムードを体内に送りこんでくれるメル・ライマンのハーモニカには、ほんとお世話になっております。ケンブリッチのコーヒー・ハウス「クラブ47」のライブも数曲収録されていて、東海岸フォーク・シーンの雰囲気を味わうこともできます。B面最後のミシシッピ・ジョン・ハートから学んだ「My Creole Belle」、レッドベリーのこころ優しい作品「Relax Your Mind」カヴァーは、スローライフぴったりのトラックといっても過言ではないですよね。もうお気づきと思いますが、ここにあげた3枚のジャケットは、ホワイト(白)を基調にしたものです。ということは、白いジャケ写のアルバムは傑作が多いんですかね?
                                      

                                2003・09.29 by 鈴木カツ

 

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