これは、ヒロ寺平さんに送って頂いた原稿です。 アルバムのジャケットもヒロ寺平さんに送って頂いた画像です。
「何となく・・・」 そうそうたる方々がプー横丁の30周年を祝っている。ボクと松岡さんとは面識もない。電話で時折、彼の柔らかい声にふれる程度の、ただ何となく軽〜いおつき合いがあるだけだ。 「30年記念なんで3枚のアルバムを紹介してくれませんか?」とのご依頼を受けたときに、「はいはい。」と軽い気持ちで引き受けて、「ちょっとどんなのが来ているか見といたろか?」ってホームページを見て真っ青になってしまった。寄稿されている全ての人たちが松岡さんと半端じゃないほどの深〜い関係を構築されている。「あらま、どないしましょう。」と思いつつ、今やっとこさこうやってキーボードをパタパタしているわけである。(この企画ももう山のような人々が縷々連なっていて、もうわざわざ眺めに来る人も少なかろうという姑息な考えもあるのであるが。) まあでも、考えようによっては自分史を顧みるというスタンスで楽しめると言えば楽しめるもんね。 閑話休題。 さて、そんなボクの最初の1枚はこれ。 大学生の頃。バンドをしていた頃。大阪の老舗レコードショップのお兄さんに「これ絶対ええから買っとき!」って言われて買ったSuper Session。いや、たまげましたね。Al Kooperが当時Blood Sweat & Tearsのプロデュースをしていたとかハモンドの鬼才だとかの知識はあったけど、A面ではMike BloomfieldとB面ではStephen Stillsとギターとオルガンのバトルを繰り広げるこの1枚には完全にノックアウトされてしまいました。個人的にB面のStephen Stillsのワウワウが冴え渡るSeason of the witchにはまり込みました。たまりませんねえ。この直後、この企画のシリーズ物としてKooper Sessionってので確か13才のギタリスト、シュギー・オーティスって子も出てきましたね。あれも買ったけど、やっぱ企画物はその立ち上がりがよろしいようで。 そして2枚目はThe BeatlesのWhite Album。もう何も言うことはないでしょう。バンドで挑戦したYeh Bluesでこっぴどく失敗したのを昨日のように思い出します。でもひとりで耳コピしたBlackbirdは今でも十八番で頼まれもしないのに人前で演奏したりしてしまいます。リリース当時、シリアルナンバーがついているというのも話題でした。因みにボクのはA1819085です。どうです、えらいでしょう?(何が?って聞かないでくださいね、本人は鼻たっかだかなんですから。そゆもんなんです、当時の若者って。) そして最後のもボクの記念の1枚。ジャズフュージョンってあまり見向きもしていなかったのですが、妹がJoe Sampleを好きで持っていた名盤Carmel。DJになる前に楽器関係の貿易の仕事をしていて、アメリカのPeaveyってアンプの会社の日本総代理店をしていました。Joeがライブで来阪したときにどうしてもここのアンプがいるとアメリカのPeaveyからテレックスが入りました。そして厚生年金会館にそれをデリバリーしたのがボク。Joeとはすぐにうち解けてそれからは彼の来日ごとに一緒に飲み歩くようになりました。そんなある日、このアルバムを持っていってサインをおねだりしたという代物です。だからサインは妹あてに。でもその妹も今はアメリカに渡りボクが預かっているというわけです。時には激しく、でも時にはめちゃくちゃリリカルに聞こえてくるJoeの奏でるメロディ。いや、まあ、全くほぐしてくれますよね。 と、まあ、とにかく3枚を今はロッカーにしまいこんでいるLPたちの中から選んでみたわけですが、改めて見直してみると自分個人の歴史が甦ってきました。なかなかおもろかったです。寄稿は遅くなりましたが、松岡さん、こんな機会を与えてくださってほんとにありがとうございました。 あ、そうそう、でもひとつだけ聞きたいことがあるんです。20年近く前になりますがナニワ・エキスプレスの東原力哉氏と話しをしていたときにボクがTony Williamsの2枚組LP「ライフタイム」を持っているって言ったんですね。そしたら彼に「それって100万円ぐらいすんで!」って言われてニッチャ〜と笑った記憶があるんです。ほんとのとこどうなんでしょう? いえなに、今さらそれを売ってどうのこうのとかじゃなくて、ほら、なんて言うか、そゆすんごいのを持ってるとかってこそばくてうれしいもんじゃないですか。ちょっと知りたいなあとか思ったもんで。ヘヘヘ。 30年の歴史。おめでとうございます。でもこれからもより一層お元気で、いい音楽を発掘していってくださいね。 そしてこれからもよろしくおねがいします。 One Love, Hiro T. Osaka
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